ハンマーとは？素材や種類、選び方について紹介します。

大工や足場職人などにおいて、釘や杭打ちなどの作業に欠かせないハンマー。一言にハンマーといっても、様々な呼び方、用途、種類があります。そんなハンマーについて、素材や種類、選び方などを詳しく紹介していきます。

ハンマーとは

ハンマーとは、釘を打ち込んだり、ものを叩いたり、金属などを変形させたりする道具です。語源は、英語のHammer（ハンマー）です。日本語では用途や素材などによって、槌（つち）、金鎚（かなづち）、玄翁（げんのう）、とんかち、殴り（なぐり）、掛矢（かけや）とも呼ばれます。
例えば、先端の打撃部分が木製のものは槌（つち）、金属製のものは鎚（つち）と明確に漢字で区別されます。

ハンマーの使い方は、柄を握り先端の打撃部分を対象に振り下ろし叩きます。

ハンマーの素材

ハンマーの素材は、木製、金属製、ゴム製、樹脂製の4つがあります。
打ち込む素材や作業内容によって、どの素材のハンマーを使うべきなのか適切に判断する必要があります。ハンマーの素材を対象物に合わせて選ぶことで対象物の損傷を防ぐことができます。

例えば、釘を打ち込むときは金属製のハンマーを選びましょう。木製や樹脂製、ゴム製で打ち込むと先端の打撃部分が損傷してしまいます。

一方で、部品の分解を行う際は樹脂製かゴム製のハンマーを選びましょう。あくまで固定された対象物を動くように緩めることが目的のため、金属製や木製のハンマーを使うと対象物を損傷させてしまう可能性があります。

金属製（鉄製）

鉄製ハンマーは、ハンマーの素材の中では一番高い強度を誇り、強度なため鉄工作業や板金作業で使われます。

金属製（アルミ製）

アルミ製ハンマーは、強度は鉄製に劣りますが、鉄製より錆びに強く、保管やメンテナンスには優れています。また、鉄製より軽量で扱いやすいです。

ゴム製

ゴム製ハンマーは、素材が柔らかく対象物に傷がつきにくく、且つしっかりとした重量を確保できるため木工製品の組立で重宝します。しかし、柔らかいのでヘッドは消耗品と考えておきましょう。

樹脂製（プラスチック製）

プラスチック製ハンマーも、金属製より素材が柔らかいため対象物に傷がつきにくいです。しかし、ゴム製と違いかなり軽量なため、木工製品の組立など釘の打ち込みなどは得意ではありません。点検などでよく使われます。

ハンマーの種類

ハンマーは形状や素材など多種多様で、作業目的に合わせた専用ハンマーも存在します。ここからは一般的なハンマーについて紹介していきます。

片手ハンマー

片手ハンマーは、頭部の片側が平ら（平頭）で、反対側が球状（丸頭）の金属加工用のハンマーです。ポンドハンマー・ボールハンマーとも呼ばれています。平らな方は釘やピンなどの打ち込みに、球状部分は鉄板などの打刻や曲げ加工などに使用します。

両口ハンマー（両口玄翁）

両口ハンマーは、片側が平らでもう片側がゆるい曲面になっているハンマーです。片手ハンマーより大きく重量があるため釘の打ち込みなどにむいています。
両口ハンマーには、打撃部分の形状によって4つの種類があります。

• 丸玄翁
• 四角玄翁
• 八角玄翁
• 片八角玄翁

断面が八角形になった八角玄翁は、側面部分が平らになっており横打ちが可能となっており、狭くかなづちの打撃面を振れない場合に側面で釘などの打ち込みができます。

片口ハンマー（細工槌）

片口ハンマーは、打撃部分の一方が尖っていて小さな鋲などの打ち込みや、狭い場所に釘打ちをしたい場合などの細工作業に使用されます。
片口ハンマーには、打撃部分の形状によって4つの種類があります。

• 唐紙槌
• 丸刃槌
• 武力屋槌
• 瓦屋槌

ネイルハンマー

ネイルハンマーは、西洋から入ってきた金属製のハンマーで現在最も一般的なハンマーといえます。重心が打撃面に近く釘打ち時に安定し、また片側が釘抜きになっているため、初心者のDIYでも活躍するハンマーです。

トンカチ

トンカチは、レンガやブロックの斫りや割り作業に適したハンマーです。
トンカチには、打撃部分の形状によって4つの種類があります。

• トンカチ槌
• ブロックハンマー
• ブロック槌
• ケレンハンマー

木製ハンマー（木槌）

木製ハンマーは、打撃部分が樫材、イタヤ板の木でできた小型のハンマーです。木工製品の組み立てなど部品などに傷をつけたくない作業に使用します。

プラスチックハンマー

プラスチックハンマーは、頭部の打撃面がプラスチックでできたハンマーで、メーカーによってはソフトハンマーと呼ばれます。重心部は金属製なので打撃力も確保されていますが、軽量なため打ち込みには向いていません。木製ハンマー同様叩く対象を傷めにくいハンマーです。

ゴムハンマー

ゴムハンマーは、打撃部分はゴムでできたハンマーです。プラスチックハンマーより重量があるため打撃力が高いのが特徴です。打撃の際、跡が残りにくいので木工製品の組み立てなどの際に直接叩くことが可能です。ゴム部分は黒・白の2種類あり、汚れが着かないように気を付ける際は白が使用されます。

ショックレスハンマー

ショックレスハンマーは、ハンマー一体がウレタン材質で、ヘッド内部に無数の小鋼球が入っています。この球が左右に移動することで、打撃面にかかるエネルギーをアップさせることができるため、対象物の摩耗を最小限に抑えることができ、また、対象物を傷付けにくくなっています。