足場工事における工事用シートの「外張り」と「内張り」について
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工事用シートの「外張り」と「内張り」の用途や特徴、選び方のポイントを解説

建設現場や改修工事に設置される足場では、安全対策や周辺環境への配慮を目的として「工事用シート」が使用されます。
工事用シートの張り方には「外張り」と「内張り」の2種類があり、それぞれ特徴や用途が異なります。
適切な張り方を選択することは、作業効率の向上だけでなく、安全性や近隣対策にも大きく関わります。
今回は、足場工事における工事用シートの外張りと内張りについて詳しく解説していきます。
工事用シートとは
工事用シートとは、足場の周囲に設置する防音シートや防炎シートなどの総称です。
主な目的として、
- 落下物・飛来物の防止:工具や資材の現場外への落下防止、及び建物解体時の破片などが敷地外に飛び出すのを防止
- 塗料や粉塵、水の飛散防止:外壁塗装の塗料や、高圧洗浄の水しぶき、砂埃や砂塵などが周辺へ飛散するのを防止
- 騒音の軽減:工事時に発生する騒音が外に漏れるのを和らげ、近隣へのストレスを軽減
- 火災時の延焼防止:工事時に溶接などの火花で火災が発生した際に、火が燃え広がるのを防止
- 近隣住民への配慮・美観向上:内部の作業や状態が見えない様にする目隠し効果、または防犯向けの透過効果など多様な用途あり
などが挙げられます。
特に住宅密集地帯や商業エリアでは、工事用シートの役割は非常に重要となっています。
工事用シートの『外張り』とは
外張りとは、足場の最も外側(筋交い/ブレースの外側)に工事用シートを設置する方法です。
通常の一般的な低層・中層の住宅工事や改修工事では、施工スピードやコストが重視されるため、外張りが主流となっています。
外張りのメリット
1. 施工が簡単・作業時間短縮
施工が簡単なので、設置や撤去に時間がかからず、作業時間を短縮することができます。
2. 施工コストが少ない
外張りの方が一般的な張り方であり、外張りに慣れている職人も多く、施工が複雑な内張りよりは余分な人員はかからないです。
3. 飛散防止効果
塗装工事や解体工事などでは、塗料や粉じんの飛散対策が欠かせません。
外張りは足場全体を覆うため、周囲への飛散を効果的に防止できます。
4. 現場イメージの向上
建物全体をシートで覆うため、均一感を与えるだけでなく足場などの鉄材が見えないことで、工事現場の印象を整える効果があります。
企業名やロゴを印刷したシートを張ることもあり、宣伝効果だけではなく信頼度のあるハウスメーカーや企業の名前による安心感を向上させます。
外張りのデメリット
- 強風時に風圧を受けやすく、足場への荷重が大きくなる
- 外側に設置するため風などの影響を直接受けやすく、シートやハトメなどの破損リスクが高まる
- 台風接近時などにシートをたたむ対応(シート養生)が必要になる場合がある
- シート紐が切れた際にシートなどが現場外に飛散する可能性がある
工事用シートの『内張り』とは
内張りとは、主に筋交いの内側に工事用シートを取り付ける方法で、用途によっては足場の支柱や手すりの内側に張る場合もあります。
主に風の影響を強く受けやすい高層現場や風の強い地域などで利用される場合があります。
内張りのメリット
1. 飛来物防止の強化
足場の内側に設置しているため、足場がシートを押さえることで現場外への飛来物を防ぐことができます。
万が一シートと足場を結束するシート紐や結束ひもが切れたとしても、シートやごみが現場の外側に飛び出しにくいので安全です。
2. シートが風の影響を受けにくい
シートが足場の内側に設置されるため、強風時でも風圧を受けにくくなります。
シートのバタつきや破損リスクを軽減できるため、高層現場・高層階・パラペット(屋上の立ち上がり)上の現場など、風の強い現場や地域で採用されるケースがあります。
3. 足場への負担を軽減
風荷重が抑えられることで、足場全体への負担も軽減されます。
結果として、足場の安定性向上にもつながります。
4. シートの損傷が少ない
外張りよりも風や飛来物などの影響を受けにくいため、シートの破損リスクを軽減できると同時にシート自体の耐久性向上が期待できます。
内張りのデメリット
- 外張りよりも複雑なので設置や結束に手間と時間がかかる
- 作業に要する時間と人員増加による施工コストが増加する
- 全体をシートで覆わない場合、落下物がシートの外側へ出る可能性がある
- 建物との距離によって作業スペースが狭くなる

外張りと内張りの使い分け
工事内容や現場環境によって、最適な設置方法は異なります。
塗装工事
塗料の飛散防止が重要なため、外張りが一般的です。
改修工事
工事現場の周囲を覆い、塗料やゴミの飛散防止、防音、作業員の安全確保を目的にしているため、外張りが多く採用されます。
高層建築工事
強風対策として内張りを採用する場合があります。
風の強い地域
安全性を考慮し、内張りや防風対策を組み合わせるケースがあります。
安全な施工のためのポイント
工事用シートは、単に張ればよいというものではありません。
以下の点などについて、施工前後や天候の変化時にも確認する必要があります。
- シートの破損や劣化がないか
- 結束部(ハトメ)に緩みや欠落がないか
- 工事現場に合わせた適切なシートを採用しているか
- 風抜き部が確保されているか
- 足場に合わせて正しいサイズのシートを張っているか
- 台風や強風予報時の対策が準備されているか
特に近年は異常気象による強風被害も増えているため、定期的な点検と適切な管理が重要です。
まとめ
工事用シートの外張りと内張りには、それぞれ異なる特徴があります。
外張りは施工時間やコストの削減や飛散防止に優れており、内張りは風の影響を受けにくく足場への負担を軽減できます。
そのため、工事内容や現場の立地条件、周辺環境などを総合的に考慮して選択することが大切です。
工事用シートは単なる養生材ではなく、現場の安全性や近隣への配慮を支える重要な設備です。
外張りと内張りの特徴を正しく理解し、現場に適した施工を行うことが、安全で円滑な工事の実現につながるでしょう。