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台風による足場の被害を減らすために

台風による足場の被害を減らすための安全対策の強化

台風が接近・上陸すると、雨や風が強まり、甚大な被害をもたらします。
近年ではスーパー台風、ノロノロ台風や進路が予測できない台風による広域範囲での長期的な強風や突発的な強風、竜巻の発生で、住宅のみならず足場の倒壊や足場部材などの飛来による被害もニュースで取り上げられています。
足場工事を行う上で、今後は台風などの天候も見据えて事前の点検や安全対策を強化する必要性があるので、その方法などをご紹介します。

日本の気候変動について

毎年世界各地で発生する台風の内、約半数が日本の300㎞以内に接近しています。
1991年~2020年までの30年の平均を見ると発生数は25.1個、日本への接近数は11.7個、上陸数は3個となっており、この数値に関しては、近年でも大きな変化は見られないようです。

項目 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
2025 発生数           2 7 5 5       19
接近数           1 6 4 1       11
2024 発生数         2   2 6 8 3 4 1 26
接近数         1   1 4 4 2 1   11
2023 発生数       1 1 1 3 6 2 2   1 17
接近数         1 2 1 3 3 1     9
2022 発生数       2   1 3 5 7 5 1 1 25
接近数       1     3 3 6       11
2021 発生数   1   1 1 2 3 4 4 4 1 1 22
接近数       1   2 2 3 1 2   1 12

項目) 世界の台風発生数/日本への接近数(300㎞以内) データは2025年9月22日時点 
参考HP:気象庁/台風の統計資料

しかし、2025年3月に文部科学省と気象庁から提出された『日本の気候変動2025』によると、地球温暖化の加速、またそれらや自然変動が原因となって気候変動が起こっており、世界的な気温上昇の影響で、大雨(ゲリラ豪雨や線状降水帯…)・高温(フェーン現象やヒートドーム現象…)など極端な現象の発生頻度と強度が増加すると予想されています。
台風に伴う発達した積乱雲の下では、落雷・雹(ひょう)・竜巻などの激しい気象現象もしばしば発生しており、台風の強度が増加するにつれ強い雨や強風だけではなく、それらの気象現象の発生も増加させる可能性があると考えられています。

台風 強風 異常気象 足場 倒壊 

台風がもたらす足場による被害

倒壊/崩壊と二次被害

強風によって足場全体が揺れることで部材同士の結束部分が緩んだり、歪んだり、部材が外れて足場が倒壊または崩壊する
また、強風や突風などで緩んだ足場をそのまま使用することで、作業員の墜落、足場や足場部材の崩落など二次災害の発生

建物への損傷 

壁つなぎやアンカーなど足場と建物を繋ぐ部分の破損や亀裂を起こしたり、足場部材が建物側に倒れたり、飛来したものがぶつかることで起こる損傷

近隣への被害 

足場が倒壊したり、足場部材が飛来することで与える、近隣の住宅や窓、車などへの被害

通行人への危険 

倒壊した足場が通行を邪魔したり、強風などで飛来した足場部材が通行人へ危険を与える

足場部材などの鋼材製品や高さのある足場の崩壊は、甚大な被害を起こす可能性があります。
これらの事象を防いだり、被害を少なくするためには、天候を常にチェックして台風が来る前にまた常日頃から事前に安全対策を行っておく必要があります。

台風が接近する前にしておくこと(安全対策)

観察設備の設置

常に気象情報、気圧配置や前線に関する情報に注意をしておく、工事現場には吹き流しや風力計などを設置して気象変化を観察する

作業中止基準の設定

事前に作業中止の基準(風速、降水量など)を定めておき、その数値を確認できるようにしておき、超えた場合はすべての作業員が中止ができる状態にしておく

緊結部/連結部の事前点検と補強

足場や壁つなぎ部分、金具などの緩みや外れ箇所の確認をして、再緊結・再締め付け、足場や部材同士を番線などで固縛したり、壁つなぎ箇所を増やしてそれぞれ補強をしておく

風の吹き抜け確認

端部に開口がある場合、風の吹き込みによる内側からの風圧によって足場が押される可能性があるので、開口部を塞いだり、控え材などで補強する

台風養生(シート・朝顔・防音パネルなど)

足場に掛けている工事用シートや朝顔、防音パンネルなどを折りたたむ、巻き上げたり、撤去・間引きなどをして風に対する抵抗力を下げて、足場が強風で倒れないようにする

台風接近時の処置

悪天候時の作業中止

事業者は、高さが2メートル以上の箇所で作業を行なう場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、 当該作業に労働者を従事させてはならない 参照:安衛則 第522条 

周囲への措置

万が一、足場倒壊などの予兆や危険性が考えられる場合や、それらが発生した場合は速やかに警察、道路管理者等に連絡し現地の通行止措置を要請する

台風通過後の処理

通過後の足場などの安全確認

台風通過後は足場が強風などにさらされて、緊結部の緩みや外れが発生している可能性があるので、該当作業を行う前に必ず足場の点検をする

撤去品などの再設置

台風養生や撤去をした部品を再設置する

まとめ

異常気象や極端な気象現象が頻発し、台風の強度も増加傾向にある。
台風による強風や突風で起こった足場の被害は甚大となるので、被害を少なくしたり、防ぐための対策を強化しなければならない。
日頃から気象情報などが確認できる環境にしておき、足場の安全対策や点検を行う。
台風接近前には台風養生や補強などの実施を行い、強風時などは事前に設定した気象による中止基準に応じて作業を中止する。
万が一足場の被害が発生した場合は管轄の警察や道路管理者へ要請する。
台風通過後は足場の安全点検をして、二次被害が発生しないようにする。

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ASNOVA編集部

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