足場材のアンチとは?役割や種類をご紹介
足場のTIPS

足場材のアンチとは?役割や種類をご紹介いたします。
工事現場において、高所で作業をする時は「足場」と呼ばれる仮設構造物を組み立てます。この足場を組み立てる資材の中に「アンチ」と呼ばれる資材があります。
アンチとは、踏板、布板、床付布板とも呼ばれ、足場内の作業用の通路などあらゆる床部分に敷かれている資材です。
掴み金物である引掛けフックのついた足場板というイメージです。
長さや横幅によって種類が分かれており、これらを組み合わせることで様々な足場に対応可能となっています。
ここでは、アンチとはどのような用途の資材なのか、その種類や寸法、重さについてご紹介いたします。
足場で利用されるアンチとは?
高所作業を行う時には、単管と呼ばれるパイプを組み上げ「足場」を作らなければなりません。ですが単管はパイプなので、そのままでは滑りやすく、足元は不安定です。
そこで、実際に作業者が歩く通路や、安全に作業を行う床が必要となってきます。
アンチとは、先のとおり「踏板」「布板」「床付布板」とも呼ばれ、足場内の作業用の通路などあらゆる床部分に敷かれている資材です。
アンチという名前の由来は「アンチスリップ鋼板」というもので、鋼板に穴を空け、滑り止めが施されている鋼板です。
アンチは、垂直に建てられている建地の間を腕木とともに水平方向につなげていくことで通路や床板として使用され、足場の中でも「枠組み足場」と呼ばれる足場を組む時に使われます。
「足場板」や「踏板」と「アンチ」は異なる資材
足場を組んだ時に通路や床板として使われる資材には、アンチ以外にもいくつかあります。
足場板
足場板は、高所作業用に組み立てられた仮設構造物の中で、作業者の通路や作業床として使う板状の足場資材です。
スチール製やアルミ製の足場板が主流ですが、中には合板や杉の木の板が使われている場合もあります。
踏板
踏板は、単管パイプを使い組み上げた足場の床材として使用されます。メッシュ素材で、パイプに引っ掛けるフックが付いたもののことを「踏板」と呼びます。
メッシュ素材なので通気性がよく、雨水などが溜まる心配がありません。また軽量なので楽に持ち上げられ、比較的狭い場所で使われる床材です。戸建て住宅などの建築や外壁塗装の際によく組まれます。
アンチ
アンチは、鋼板に穴を空け、表面に凹凸を付けて滑り止めとして加工され、左右には建枠に引っ掛けるフックが付いています。
踏板に比べると重量があり、頑強な造りとなっているので、大規模現場で使われることが多いです。
中にはメッシュ素材でできたアンチもあり、また、アンチのことを踏板と記載するメーカーもあるため、混同しないように注意が必要です。
踏板が「一側足場」に使われる資材なのに対し、アンチは「枠組み足場」に使われる資材と覚えておくと分かりやすいでしょう。
枠組み足場はビル外壁面に沿って組まれるなど、より高所の作業で組まれる足場です。
高層建築工事などで使われるため、頑強な造りであることが求められます。
また風にあおられないよう鋼板に穴を空け通気性が確保されています。
アンチの種類
現在足場で使われるアンチは通称「ヨンマル」タイプと呼ばれる幅40cmが主流です。
平成27年7月より施行された安全衛生法規則改定において新たな床面の隙間への規定が設けられたことから、今後は幅50cmの「ゴーマル」タイプが普及しだすのでは、と業界では言われています。
足場の作業床に係る墜落防止措置の充実(安衛則:第563条)に定める足場における高さ2m以上の作業場所に設けられる作業床の要件に「床材と建地との隙間は12㎝未満とすること」という文言が追加されました。
ただし12cm未満であってもメッシュシート等と作業床の隙間から工具、端材、瓦礫等が落ちる危険が残るので、別途、この隙間からの飛来・落下防止措置を講ずる必要があります。
まとめ
高所作業用の足場の中でも、枠組み足場というタイプの足場の通路や作業床として使われる資材が「アンチ」です。「布板」や「踏板」とも呼ばれます。
その特徴は、鋼板に穴を空け通気性がよい点、表面に凹凸加工がされていることで滑りにくい点、さらに左右には建枠に引っ掛けるフックが付いている点があげられます。
また寸法はインチ規格とメートル規格の2つの規格があり、互換性がないため、どちらを使うのかを正確に把握しておく必要があります。現在は、「ヨンマル」と呼ばれる40cm幅のアンチが主流ですが、平成27年7月より施行された安全衛生法規則改定において、今後は幅50cmの「ゴーマル」タイプが普及しだす可能性があります。
ASNOVA編集部からのコメント
アンチは左右に引掛けフックのついた足場板のことをいいますが、「布板」や「踏板」ともいいます。また、アンチの種類は幅40cmの通称「ヨンマル」タイプが主流となってます。長さや横幅によって種類が分かれており、これらを組み合わせることで様々な足場に対応可能です!