屋外作業における熱中症対策 ～ 従業員の健康を守るために ～
ASNOVAの取組
当社 機材センターにおける熱中症対策についてご紹介いたします。
寒かった冬が終わると梅や桜の花が咲き始め、ようやく春が来たのかと思いきや春を感じることもなく、すでに初夏なのか夏なのかわからないこの時期、急激な温度変化に体がついていくのもやっとです。そこで今回は暑い夏が来る前に、当社 機材センターにおける熱中症対策などについてご紹介いたします。下記内容をご参考にしていただき、炎天下で働く労働者の皆様の健康と安全を守る糸口になれば幸いです。
目次
熱中症対策の重要性と企業の役割
近年、地球温暖化の影響で夏の気温が年々上昇しており、熱中症による健康被害が社会問題となっています。特に、屋外での作業を行う企業においては、労働者の安全確保が急務です。熱中症対策は、企業が従業員の健康を守り、業務の持続可能性を確保する上でも非常に重要な取り組みと言えるでしょう。2024年においては、4～6月の平均気温が全国的に平年よりも高いと予想されており、４月でもすでに25度以上を超えた日が全国各地で確認されました。今年だけではなく今後もその傾向は続くので、屋内外の業務に関わらず企業として責任をもって、早めに熱中症対策をしていく方が良いでしょう。
効果的な熱中症対策のための基本方針
企業が熱中症対策を効果的に行うためには、まず正しい情報と知識が不可欠です。状況に応じた水分補給、休憩の取り方、適切な作業着の選択など、基本的な対策を徹底することが要となります。そして何よりも業務を行っている自分自身が体調管理をすること、そして体調の変化に敏感であることも必要なので、少しでも体調が悪いときは無理せずに周りに声掛けすることも忘れないようにしましょう。
機材センターなどで屋外作業を安全に行うために
当社のように機材センターなどで屋外での作業を行う部署がある企業にとって、熱中症対策は必須項目です。まずは、屋内作業場所に日除けできる場所があるかどうか、水分補強や休憩が取れるような体制になっているか、熱中症予防できる作業着やグッズなど体調管理や調整ができる対策は十分か、これらを適切に利用することで、従業員が安全に作業を行える環境を整えられます。特に、炎天下での長時間作業が避けられない場合には、これらの対策が不可欠となります。
熱中症の原因と当社 機材センターでの対策
当社は機材センターにて足場レンタル業を行っており、基本的には足場機材を外置きしております。そのためセンター内での作業は常に屋外作業となる場合が多く、そのため熱中症を引き起こす主な原因が下記となります。
熱中症の原因
・直射日光下での作業
・脱水症状
・塩分不足
これらに対し、当社では以下の対策を行っております。
熱中症対策
１．冷感インナー
足場機材を扱うので安全性から長袖での作業が必須となっております。ヤード作業着は春夏と秋冬用を用意しており、さらに夏場は汗をかいても風があたると涼しく感じる効果がある冷感タイプのインナー上下を支給しております。顔全体を覆うタイプや首元全体、うなじ部をガードする冷感フェイスカバーを利用している方もいます。
２．空調服
最近、一般の方でも着ている人を見かけますが、機能としてはバッテリーでファンを回し、ベスト内に風を循環させる空調服で、希望に応じて支給しております。
３．水分補給用ドリンク常備
夏場はいつもスポーツドリンクを常備しており、水分が足りないと感じたらすぐに飲めるようにしています。
４．塩タブレット常備
休憩所に常備し、いつでも不足した塩分を手軽に摂取できるようにしています。
５．尿の色で脱水症状チェック表の掲示
お客様も使用されるトイレに厚生労働省の安全プロジェクトで掲げていた「尿の色で脱水症状チェック」表を掲示し、尿の色で自分の健康状態を管理できるようにしています。
６．１時間毎に休憩
夏場は作業中に無理が発生しないように交代で休憩できるようにしております。
７．ISO45001の取り組み
以前コラムでも取り上げましたが、当社では京都京田辺センターにおいてISO45001を取得しており、毎年1回の緊急事態訓練を行い、各機材センターへ横展開をしております。救急箱の点検、簡易担架の常備、緊急連絡組織網の展開は全センターにて対応しております。
参照コラム：ISO45001 労働安全衛生マネジメントシステムの取り組みについて
このように熱中症予防の対策を積極的に進めることで未然に熱中症を防止し、一人でも多くの人が体調不良を起こすことなく、今後も夏場でも無理なく業務が遂行できるようにしていきます。
まとめ
企業における熱中症対策は、従業員の生命と健康を守るために極めて重要な課題です。特に当社のように機材センターなど屋外での作業が必須となる場合、効果的な予防対策を積極的に取り入れて実践していかなければなりません。屋内外業務に関わらず、具体的な取り組みを通じて、企業全体で労働環境の安全性を高めることで、健康被害のリスクを最小限に抑えることが可能です。日本国内の危機的な環境問題は、1位「気候変動」、2位「環境汚染」、3位「社会、経済と環境、政策、施策」となっており、熱中症対策においては、今後も企業にとっての重要な課題であり続けていくことでしょう。企業各社がこの問題に対して真摯に対応し、労働者の安全と健康を守るための取り組みを進めていくことが求められています。
